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活動内容

シンポジウム・講演会・見学会

【年度】2017年度

2018年2月2日「地区別講演会・桑名」

 平成30年2月2日(金)、桑名商工会議所、北勢商工会広域連合共催による講演会を開催し、80名の方にご参加いただきました。
 今回の講演会は、気象キャスターの酒井千佳氏の「地球温暖化の最新情報~未来の地球と私たちの暮らし~」と題した講演を行いました。
 酒井氏は、まず、「2100年未来の天気予報」を実況し、このまま地球温暖化が進むと、2100年には「最高気温が40℃を超える」「大雨による川の氾濫や崖崩れなどが各地で発生する」などの予報を発表しました。また、会場にクイズを出題し、地球温暖化が進むと、「強い雨の発生数が増える」「台風が猛烈化(最大瞬間風速が90メートルとなる可能性もある)することがデータ分析などで示されているとされました。
 次に、地球温暖化により既に起きている影響について、まず、気候の変化を挙げられ、「発達した低気圧による災害が発生している」「国内で最高気温35℃以上の猛暑日が増加している」などのデータを示されました。また、植物や食料生産への影響として、「カエデの紅葉日が過去10年間で3日遅くなっている」「夏の高温によりお米が白く濁ったり、割れたりしている」など私たちの食生活にも影響が出ているとされました。
 さらに、現状以上の地球温暖化対策を取らなかった場合は、世界の平均気温が1986年から2005年を基準とすると、2100年には、2.6~4.8℃上昇し、それにより、平均海面水位が上昇することで、海抜ゼロメートル地帯が現状の577km2から879km2と1.5倍になる予測であることや、世界遺産として有名な青森県から秋田県にある白神山地のブナ林を紹介され、ブナ林の土壌は他の森林と比べて水保全の機能が大きく、雨水の急激な流出をおさえてくれ、動物にも人間にも大きな役割を果たしてくれているが、気温上昇により、生育できる地域が北上して減少し、白神山地も生育不可能地域となる可能性があるとされました。
 そして、地球温暖化は、化石燃料を燃やしたり、森林などを伐採をしてきた人間活動の影響が主要因である可能性が極めて高いとし、火力発電や車の排気ガスから温室効果ガスが排出されていたり、サラダを食べる時も、その野菜はエネルギーを消費して栽培されており、温室効果ガス増加の要因になっているとされました。
 そして、私たちの暮らしと密接な関係のあるこの問題を解決していくためには、「温室効果ガスを減らす『緩和策』」と「地球温暖化影響に備える『適応策』」があるとされました。
 まず、緩和策については、低炭素エネルギーである原子力発電・水力・地熱などの再生可能エネルギーを利用していくこと、火力発電で発生した二酸化炭素を地下に貯留する技術開発が進められていることなどを挙げられました。
 また、消費者の立場から、省エネ家電を購入したり、衣服のリユースや仲間同士でシェアするなどの行動も必要ではないかとされました。
 次に、対応策については、熱中症対策として暑さを避ける衣服の工夫や、暑さに備えた体づくりなどとし、ご自身もホットヨガなどで汗をかきやすい体づくりをしていると紹介されました。
 さらに、破壊的な台風や発達した低気圧に対し、家庭や職場のある地域の洪水ハザードマップを確認するなど、常に安全に避難できる場所を確認し備えておくことも重要であるとし、酒井氏が気象キャスターとして、以前に豪雨で鬼怒川が決壊し多くの被災者が出た痛ましい災害において、実況中継で被災地の方にどのように伝えれば被害者が救われたのかを考え、現在もどのような言葉でどのように伝えるかを常に考えている経験から、「警報」や「注意報」は他人事ではなく、自分自身のことに置き換えて常に備える意識と行動に心掛けて欲しいとされました。
 講演後の質疑においては、気象予報に関する質問の他に、地球温暖化対策には原子力発電を稼働させる方法を取っても良いのではないかとの意見もあり、二酸化炭素の排出量が削減できるなどのメリットはあるが、事故のリスクなどもある。
 まずは、そのことを含めて国民の皆様に関心を持っていただき、こういった機会で理解を得ていくことが原子力発電を利用するには必要ではないかとされました。

2017年9月14日「地区別講演会・多気」

 平成29年9月14日(木)、多気町商工会、松阪商工会広域連合による講演会を開催し、250名の方にご参加いただきました。
 今回の講演会は、東京大学教養学部客員准教授の松本真由美氏の「今考えよう、日本のエネルギー問題~エネルギーミックスとは?~」と題した講演を行いました。
 松本氏は、「普段はエネルギーのことをあまり考えることはないのかもしれませんが、私たちは冷蔵庫や照明、自動車や電車等を活用し、エネルギーなくして現代の生活スタイルというのはありえません。本日は、エネルギーミックスというキーワードをテーマとして、皆さんと一緒にエネルギー問題を考えていきたい」と述べられました。
 まず、エネルギー問題を考えるには、日本は諸外国に比べて極端にエネルギー資源に乏しく、エネルギー自給率が6%しかないことを理解することが大切であるとし、2011年3月の福島第一原子力発電所の事故後の原子力発電所の停止影響などもあり、東日本大震災後のエネルギー自給率が低下していることを指摘しました。
 そのうえで、現状、日本は、石油や石炭、天然ガスなどの化石エネルギーを諸外国からの輸入に頼っており、エネルギーの安全保障や経済などへのリスクが高まっているとしました。
 具体的には、石油や天然ガスなどの調達におけるリスクとして、政治情勢が不安な中東地域に調達先が偏っており、軍事行動などによる海峡閉鎖などが考えられる点と経済的には、原子力発電停止分を火力発電で賄ったことによる経済的負担により、電気料金が高騰している点を指摘しました。
 また、電気料金の高騰については、再生可能エネルギー固定価格買取制度の導入により、賦課金が電気料金に上乗せされていることもあり、導入初年度にはわずかであった賦課金が、今年度においては標準家庭で月々約680円の負担になっているとし、家庭のみならず、特に製造業などにおいては、収支を圧迫する要因となっており、賦課金の増大を抑える必要があるとしました。
 さらに、地球環境面においても、火力発電に偏った現状の電源構成では、二酸化炭素などの温室効果ガス排出量の抑制とならず、パリ協定で日本が目標としている2030年度には、2013年度比で温室効果ガスの排出量を26%削減することに向けても、火力発電の比率を下げ、二酸化炭素の排出が抑制できる原子力発電や太陽光発電、風力発電、地熱発電などの比率を高めていく必要があるとしました。
 そこで、日本は、2014年4月に策定された国のエネルギー基本計画において、エネルギー政策の基本的な視点として、安全性を大前提に3つのE、すなわち「energysecurity(安全保障・安定供給)」と「economy(経済性)」および「environment(環境優位性)」を考えることが重要とし、2030年における具体的な電源構成として、水力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーを22~24%、原子力発電を20~22%とし、火力発電への依存を改善する計画を示している。これが現状、日本が描いているエネルギーミックスであり、エネルギーを安定的に、経済的に利用したうえで、2030年度には温室効果ガスの排出量を2013年度比で26%削減する目標も同時に達成するものであるとしました。
 この目標達成には、「安全性を前提とした原子力の再稼動」と「再生可能エネルギーの拡大」が重要であり、再生可能エネルギーについては、送電線を増強したり、蓄電技術の開発などの電力系統に新たにかかるコストの費用負担の在り方などが課題として挙げられると話しました。
 エネルギーミックス実現の鍵は、原子力発電だが、現在、原子力発電所は5基稼働し、発電量では1%~2%という状況のものを、2030年に20%~22%にするには、約35基の稼働が必要ということになる。現状、運転開始から40年で廃炉という基準からも、この目標達成は厳しいのではないかと指摘しました。
 そのうえで、福島第一原子力発電所の事故以降、世論調査などでは原子力発電の再稼働に対して反対、不安であるという意見が多いことなども踏まえて、原子力事業者、そして行政が原子力発電に対する社会の信頼性を回復していくということも大きな社会的な課題ではないかとしました。原子力発電は「安定供給ができる」「電気料金の抑制が図れる」「温室効果ガスの排出も削減できる」というところがメリットとして上げられることから、安全であることを前提に活用していくことの必要性を述べました。
 最後に、「普段何気なく使っているエネルギー、今一度エネルギーがどこからうまれて、将来的にこのエネルギーを私たちがどのように使っていくのか、立ち止まって考えていただく機会にしてほしい」と話しました。

2017年6月12日「地区別講演会・伊賀」

 平成28年6月12日(月)、大山田産業振興センターにて伊賀市商工会、津・伊賀商工会広域連合による講演会を開催し、140名の方にご参加いただきました。
 今回の講演会は、フリーキャスター 事業創造大学院大学客員教授の伊藤聡子氏の「地域から日本を変える!これからの企業のあり方~エネルギー・環境問題とともに~」と題した講演を行いました。
 伊藤氏は、「なぜ今、地域活性化が求められているのか」と冒頭で投げかけ、それは、日本で驚異的なスピードで人口減少が進み、それに伴って生産年齢人口の割合も減少している課題を捉え、「地域で魅力的な企業を育て、雇用を生み出し、人を定着させる」ことが重要であり、「地域で頑張る皆さんの肩に日本の未来が係っている」としました。
 まず、地域活性化には「女性の力」は大きく、「子育て」と「キャリア」の両方が可能な労働環境に見直し、消費の鍵を握るとされる女性目線を商品開発などに活用していくことも必要であるとしました。
 この女性目線で開発され、ヒットした商品として、「軽い」「カラフルでおしゃれ」「手で掴んだかのようにゴミが拾うことができて性能が素晴らしい」と評判の「ゴミ拾いトング」や「5分で着れる」「洋服感覚で着れる」「洗濯機で丸洗いもできる」という「着物」などを紹介し、それを製造、販売している企業では、女性が活躍しているとしたうえで、「消費者である女性がモノづくりの課程に愛を感じて、これを納得して、これを欲しいと思うようになってくるとブランド化に結びつく」としました。
 次に、今、地方が抱えている様々な課題にこそチャンスがあるとし、これからのビジネスチャンスは地方が持っているとしました。
 その中でも「少子高齢化」は日本においても重要な課題であるが、地方においても、農林水産業の高齢化による衰退は課題であり、これをどう成長させていくかを考えなくてはいけないとし、ある地方で、「建設会社こそ地域のリーダーシップをとり、課題解決業である」との気概をもった方が廃校になった学校の校舎を活用し、LEDによる完全閉鎖型植物工場でいちごを栽培し首都圏に販路を拡げていることや、この成功をさらに、東京や大阪などの都市部の空きビルにも活用し、インターネットも活用して生産量を管理するなど廃棄コストの削減などを図っていくビジネスが展開されているとし、農業は「農業をやってきた人たちだけの発想ばかりでなく、今までやったことのない知恵や技術などをコラボレーションしていくと新しい産業も生まれる」「多種多様な能力を持った人材の育成」が必要としました。
 さらに、商品がヒットし、その企業が地域に根づくためには、「三方よし」、つまり「売り手よし」「買い手よし」「世間(地域)よし」の考え方が重要としました。
 また、地球温暖化が地域や経済に与える影響は大きなリスクとして、東日本大震災以降、原子力発電が停止し、化石燃料に頼らざるを得なかった日本のエネルギー事情を説明し、日本のエネルギー自給率は6%で石油や天然ガスの多くを政治情勢が不安定な中東から輸入している脆弱な状況であることから、地球温暖化の抑制などに向け、日本は、再生可能エネルギーの活用と同時に、安全対策が大前提としたうえで、二酸化炭素の排出が少ない原子力発電を選択肢の一つとして捉えているとしました。
 その上で、地方には再生可能エネルギーのうち、少しの落差でも発電できる小規模な水力や地熱発電などができる可能性があり、地方では、地域活性化と同時に地域でのエネルギー産業の成長にも取り組んでいくことが重要であるとしました。
 最後に、「これらの色々な課題を解決できる可能性は地方にしかない。地域に根づいた企業は活力を生み出す。ぜひ、皆さんの力で創り出して欲しい。」とまとめられました。

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