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活動内容

役員研修

【年度】2016年度

2017年3月10日「第15回役員懇話会」

 平成29年3月10日(金)、ホテルグリーンパーク津において、「第15回役員懇話会」が開催され、小林会長はじめ役員49名が参加しました。
 当日は、『高レベル放射性廃棄物の地層処分に向けた動向』をテーマとし、国立大学法人名古屋大学博物館教授の吉田英一氏と、原子力発電環境整備機構理事の伊藤眞一氏が講演しました。
 吉田氏は、アンモナイトの化石などを見せながら、地中の岩石の中に閉じ込められると何千万年もの間、形状や性質が安定したまま保たれることを示し、「地層処分は、地層が持っている物質を閉じ込める性質を利用し、廃棄物を放射能が小さくなるまで人間や自然災害から隔離でき、人的管理が不要なことがメリットである」と述べられました。また、「ガラスは非晶質で分子配列が不規則なため、いろいろな元素を分子構造の中に取り込める性質がある。こういった性質を利用して、ガラス固化体にすることで放射性元素をガラスの中に閉じ込める方法を採用してきた」と説明。「高レベル放射性廃棄物をガラス固化体で閉じ込め、さらにそれを鋼鉄製容器と粘土質の緩衝材で覆い、安定した地下の岩盤に埋設する、いわゆる多重バリアで厳重に囲うことで、長期にわたって放射性廃棄物が地上に拡散しないように研究を進めてきた」と話されました。その上で、「日本の場合は、地震と火山活動が多いため、処分地については、活断層や火山を避けて安定したところを選定することが重要である」と述べられました。

 伊藤氏は、原子力発電環境整備機構(NUMO)の役割として「事業主体として地層処分を理解いただくための広報・対話活動を中心に行っている」とし、「処分地を選定するための各段階の調査では、地域の安全を第一に安全性の観点からしっかりと技術検討を行うとともに、地域の経済社会への効果、影響等についても検討を行い、国民の皆様に総合的に判断いただけるよう説明会などの理解活動を進めていく」と説明されました。

2017年2月21日・22日「役員視察会」

 平成29年2月21日(火)~22日(水)に、九州電力(株)川内原子力発電所南九州クリーンエネルギー(株)、霧島木質バイオマス発電㈱を31名が視察しました。
 本年度の役員視察会は、エネルギーを「安定的に」「経済的に」「環境に優しく」使用していくうえで重要な位置づけとなる「ベースロード電源」にスポットを当て、視察時に国内で唯一稼働中の原子力発電所の再稼働までの経緯や現状と課題などについて見識を深めるため、鹿児島県薩摩川内市などを訪れました。
 まず、川内原子力発電所では、福島第一原子力発電所の事故などを踏まえて、地震や津波などの自然災害に対し強化された「移動式大容量発電機車の配備状況」や「海水取水ポンプを津波から守るための防水対策」、「国内最大級の竜巻から機器を防護する対策」などの安全対策状況を視察し、新たな規制基準に適合していることなどが理解できました。
 また、川内商工会議所の山元浩義会頭と上村健一専務理事との意見交換を実施し、薩摩川内市内の各種団体等で組織する「薩摩川内市原子力推進期成会」が川内原子力発電所の早期再稼働を求める陳情書を県議会、市議会に提出(採択済)した経緯や、九州電力(株)に対し、「安全確保を最優先に責任感を持って慎重かつ適格に安全運転をすること」を常に要望しているなどの説明を受けました。そのうえで、会頭から「再稼動の目途が立たない時期は、地域経済は停滞したが、今後は景気回復や定住促進・人口減少対策にも効果が大きいと感じ、再稼働を喜んでいる。今後も安全・安心を第一とした対応を要請しながら、地域との共存共栄を図っていきたい」と強いメセージが述べられ、当会役員から、「地域を活性化させていくうえで、大変参考となる取り組みを聞かせていただいた。我々の地域でもそれぞれの団体や組織が協力をしていきたい」などの意見が述べられました。
 次に、牟礼ヶ岡ウィンドファーム(風力発電)を視察しました。ここでは、風力発電が一望できる会議室にて、南九州クリーンエネルギー株式会社の島津公保氏と意見交換し、「約10年以上経過したこの設備についてリプレースを検討しているが、買取価格の低下と規制などから採算性を考えると判断が難しい」などの経営課題が述べられるなど、風力発電の開発が思うように進まない現状も理解できました。
 最後に、霧島木質発電株式会社(木質バイオマス発電)を視察しました。この会社では「環境に配慮し且つ安心・安全を常に心がけいつまでも美しい日本の森林と共に、緑豊かな自然を次の世代につなぐ、未来へつなげる」との思いで設立された経緯などについて説明を受けた後、実際の木質チップ燃料や発電設備などを視察しました。バイオマス発電は燃料である木材を安定的に調達することが重要ですが、同社は地域の林業従事者などと連携し、持続的に山林未利用材を収集、運搬する仕組みを確立しており、環境保全と地域活性化の同時達成で「森林再生」を実現されていました。
 今回の視察では、原子力発電がベースロード電源として地域活性化の糧になっていることなどが理解でき、さらに再生可能エネルギーもバランス良く使う「エネルギーミックス」が重要であることを再認識しました。

2016年11月7日「第14回役員懇話会」

 平成28年11月7日(月)、プラザ洞津において、「第14回役員懇話会」が開催され、小林会長はじめ役員43名が参加しました。
当日は、九州大学水素エネルギー国際研究センター教授の林灯氏が『水素エネルギー技術・開発における現状と課題』をテーマに講演しました。
 水素エネルギーには、『水素を燃やすエネルギー』と、『水素を燃やさないエネルギー』の二種類があることを紹介し、燃料電池を使用する『水素を燃やさないエネルギー』の仕組みについて話されました。
 「燃料電池とは、燃料と酸素を反応させてエネルギーに変える技術のことで、メリットは、CO2が排出されないため環境に優しいことと、化学エネルギーを直接、電気エネルギーに変えることができるので、出力密度が高く、効率性が良い。そのため、日本の自動車メーカーも、水素燃料電池自動車などの開発に力を入れている。最先端エネルギーと呼ばれ、注目されているが、燃料電池は1839年にイギリスのウィリアム・グローブが発明したもので、歴史がある」と述べられました。
 また、「水素を使用するためには、水素を作ることが必要で、天然ガスの改質、製鉄所副生ガス、水の電気分解等の方法がある。水素のメリットは、コンパクトに圧縮ができ、放電に匹敵するような減りが少ない。九州大学では『水素社会』を具現化するための研究開発を進めており、燃料電池発電所や、水の電気分解で水素を製造する水素ステーションが設置されている。また、大学が燃料電池を公用車として使用している」と紹介され、「水素エネルギーは、ビジネスに広がりを持っている。しかし、水素ステーションは、建設費が約3~4億円。ガソリンスタンドの数千万円と比べるととても高いのが現状。水素爆発など、水素に対して危険なイメージを持っている方も多いが、水素は軽いので、大気中に漏れても容易に拡散するので爆発することは一般的になく、危なくはない。水素エネルギーを拡めるためには、燃料電池の低コスト化とともに、安全性の理解を得ることが大切だと思う」と話されました。

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