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事業計画

令和6年度 事業計画

1 基本方針

 世界のエネルギー事情に目を向けてみますと、天然ガスを始めエネルギーをロシアに依存してきた欧州では「代替エネルギーの確保」が喫緊の課題となっており、省エネルギーや石炭火力・原子力の活用等を進めながらLNGの輸入を急速に拡大し対応しています。この輸入増加の影響は、LNGの需給ひっ迫と価格高騰を招き、経済制裁の長期化に伴い、さらに高まるLNG需要に対して、生産能力はすぐに追いつけない見通しとなっており、LNGの需給は、2025年頃にかけてさらにひっ迫し、世界的なLNG争奪戦は短期間では終わらない様相となっています。

 このようなことから、エネルギー資源のほとんどを海外に依存し、エネルギー自給率は13.3%と極めて低い水準である我が国は、今後、原油高に加えてLNGなどの資源をめぐる世界的な資源獲得競争の影響を受けエネルギー安全保障を考える上で大変厳しい状況であるとの認識を持たなければなりません。

 令和5年夏の世界平均気温は、1891年の統計開始以降、過去最高を記録し、国連の事務総長が「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が来た」と警告されました。 国内でも全国の平均気温が平年よりも1.76℃高く、気象庁が統計を取り始めた1898年から125年間の間で、最も暑い夏となりました。このような異常気象による産業や生態系などへの大きな影響と健康被害の増大、そして大規模な自然災害等に対する具体的な対策についても大きな課題となっています。

 過去、幾度となくエネルギー安定供給の危機に見舞われてきた我が国は、周囲を海に囲まれ、すぐに使える資源に乏しく、自然エネルギーを活用する条件も諸外国と異なるなど、エネルギー供給の脆弱性を抱えております。このため安全性を大前提に「安定的に」・「経済的に」・「環境に優しく」のS+3Eの視点を踏まえ、再生可能エネルギーや火力・原子力など多様なエネルギーの特性を活かした「最適なエネルギーミックス」を実現することが、重要であると考えます。また、このことを県民のみなさまにしっかりとご理解していただくことが必要であります。

 そこで、令和6年度は、引き続き、講演会、E&Eサロン、見学会およびE&Eフォーラム、会員向け見学会を継続実施し、新たに次世代層に対する取組を行うとともに、Webサイトなどによる情報発信に努め、エネルギー・環境問題について、一人でも多くの県民のみなさまに「聴いて」「見て」「感じて」いただき、「自らの問題として捉え、考え、行動していただく人の輪」の拡大に繋がる活動を実施していきます。


2 活動計画

(1)啓発活動

ア 会員に対する啓発活動
①講演会、E&Eサロンの開催
②エネルギーや環境関連施設見学会の開催
③E&Eフォーラムの開催
④メディアへの広告出稿
⑤会報誌の発行(年1回)
⑥ホームページによる情報発信・提供

イ 県民に対する啓発活動
①講演会の開催
②エネルギーや環境関連施設の公募見学会の開催
③ラジオによる情報発信
④メディアへの広告出稿
⑤各種団体の大会誌等への広告出稿
⑥ホームページによる情報提供
⑦会員の拡大

(2)要望活動および項目

ア 三重県、三重県議会
①エネルギーや環境問題への理解に資する情報発信と諸施策の推進
②省エネルギー推進や節電の促進に向けた県民的活動の展開と環境整備
③次世代層に対するエネルギーや環境教育の積極的な推進
④脱炭素社会の実現や地球温暖化問題の解決に向けた諸施策の積極的な推進

イ 経済産業省 中部経済産業局
①我が国の持続的発展につながるエネルギー施策への理解活動の推進
②安全性、安定供給、経済性、環境適合性を確保したエネルギーミックスの実現 に向けた諸施策の確実な実施
③脱炭素社会の実現や地球温暖化問題の解決に向けた諸施策の積極的な推進

ウ 県内市町の首長と議長、経済界を始めとする関係諸団体に側面的支援を依頼

(3)各種団体との連携強化

上記の啓発活動をより効果的なものにするため、経済界を始めとする関係諸団体と連携した活動を積極的に展開する。

以  上

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